時流の本質 社内システム(グループウェア)のクラウド/SaaS化を考える

2009年11月16日

昨今、Webサイトの特集記事だけでなく、日経新聞の一面記事としても取り上げられるようになったクラウド/SaaSの話題。情報流通量の多さからも、世の中からどれだけ求められている情報なのか伺い知ることができます。

私の所属するサイボウズ総合研究所株式会社では、2009年2月よりサイボウズのエンタープライズグループウェア「ガルーン 2」のSaaS型サービスである「サイボウズ ガルーン SaaS」を提供開始しております。このSaaS型グループウェア「サイボウズ ガルーン SaaS」は既にシダックスグループ様(4,000アカウントで利用)での活用実績をはじめ、中堅・大手企業様からの引き合いが日に日に増えてきております。いまやクラウド/SaaSに対する興味は一部のITベンダーだけのものではなくなってきたようです。

では、社内システム(グループウェア)をクラウド/SaaS化している企業はどのような観点から実施を踏み切ったのでしょうか。

クラウドによる「持たざる経営」が新たなキーワードに

社内システムとしてグループウェアをクラウド/SaaS型で利用されている、もしくは検討されている企業様が共通して持っている思想として「持たざる経営」という考え方があります。これは自社では何も所有しませんということではなく、「選択と集中」という意味合いで使われていることが多いようです。

要するに他社と差別化すべきポイントは自社リソースを惜しみなく投入するが、差別化する必要がない部分に関しては、出来るだけ外部のリソースを効率的に使おうということです。

社内システム(グループウェア)に置き換えると、コア業務と密接に関わる基幹システムに対しては自社リソースを使った設計・開発・運用保守を行うが、E-mailやグループウェア等の情報系システムはパッケージ化もしくは、外部サービス(クラウド)の利用を検討しようということになります。

当然これはすべての企業にとって必ずしも有効な考え方にはなりませんが、選択と集中を明確に行うことで、これまでサーバの障害対応や定期メンテナンス、アップデート、システム利用状況の変化に応じた構成変更など・・・システム運用業務に配置していた専任チームのリソースをクラウドにすることで別の取り組みに活用できるのです。

クラウド/SaaS型グループウェアとパッケージ型グループウェアの社内運用コスト比較

ではリソースの有効活用に繋がる社内システム(グループウェア)のクラウド/SaaS化はパッケージの自社運用とどの程度コスト差がでるのでしょうか。コストの捉え方は各社異なる部分もあると思いますが、ここでは一般的な比較として参照いただきたいと思います。

グループウェア運用管理 比較マトリクス

SaaS型グループウェア ガルーンSaaS パッケージ-自社運用
サーバー場所 社外 社内
課金体系 月額課金(ソフト・インフラ) 初期投資・保守・自社運用コスト
メリット ・システム運用管理の人件費、設備費、光熱費が不要。
・月額課金で支払いが平準化され、投資計画が立てやすい。
・利用規模の拡大・縮小が容易。
・自社でサーバ含めて運用
メンテナンスできるため、社内システムとの連携が比較的調整しやすい。
デメリット ・利用費用が継続的に発生するため、長期的なキャッシュアウトは自社運用を超える。 ・自社運用のため運用管理コストが継続的に発生。
・初期投資が大きく必要となる。
・利用規模の拡大・縮小時に運用環境への大幅な再投資が必要となるケースも存在する。

コスト比較グラフ

コスト比較グラフ

上記をご覧いただくとわかるように、グループウェアの自社運用で当初計画通りの利用が続くような想定(青の実線ライン)で比較すると、5年間ではパッケージ自社運用の方がキャッシュアウトは少なくなります。ただし、社内コストやシステム利用規模の変動がある場合は一概にそうは言えない状況となります。これは月額の利用ユーザー数に応じて支払いをするSaaS型グループウェアではユーザー数の増減に応じた投資が可能ですが、自社運用ではハードウェア基盤やソフトウェアライセンスの買い増し、買い直しなど変動時に比較的大きな一時コストが発生するからです。

このようにビジネス規模の増減に併せたシステム利用を求めている企業は、コスト面でもクラウド/SaaS利用にメリットを感じているのです。

貴重な社内リソースの「選択と集中」、社内システムをクラウド/SaaS化することは今後の企業経営に対する攻めの一手になりうるのではないでしょうか。



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